痛ましい出来事とともに、社会が越えてはいけない一線を越えてしまったような、大きな喪失感をおぼえます。
これから先、自分たちの住む世界はどうなっていくのか。目を背けてはならない現実に対して、どこまで向き合っていけるのか。正直なところ、不安ばかりが募ります。
アメリカの古典「リップ・ヴァン・ウィンクル」の主人公のように、一晩のつもりが20年も眠ってしまい、目覚めた時には世の中がすっかり変革を遂げていた――そうあってくれたなら、どんなにか気が楽だろうとさえ思います。
でも、さすがにそれでは虫が良すぎますよね。自分の生きる世界を守るために、自分自身ができること、他人と手を携えてできることは、続けていくしかないのですから。
次回のおすすめ文学は、この「リップ・ヴァン・ウィンクル」を取り上げようと思います。
それでは。