小松菜と薔薇

小松菜を切っていたら、薔薇が咲きました。

小松菜(薔薇)

根っこからかなり離れたところを切ったのですが、自分でもどうしてこんなもったいない切り方をしたのかよく覚えていません。

いつものように根っこぎりぎりのところで切っていれば、こんな切り口は見られませんでした。しょうもないかもしれませんが、何だか妙に感動しました。

薔薇といえば、小川未明「薔薇と巫女」という作品があります。下記の作品集(ちくま文庫)に収録されています。

小川未明集―幽霊船 (ちくま文庫 文豪怪談傑作選)
(↑書名をタップ/クリックするとAmazonの商品ページにリンクできます。)

登場人物の「彼」は、香りのない黄色い薔薇の花を夢に見ます。そして夢から覚めると、病身だった母親の死に直面するのです。

その後、死んだ人間を呼び戻すことができる巫女の話を人づてに聞き、彼女の住むという町を訪ねるも、そこには屋敷の跡のみが残され、もはや人の気配もない。

そもそも死者を呼び戻すという逸話も、巫女の存在すらも、「彼」の視点では嘘なのか本当なのか判別がつかない――物語のフレームそのものが幻で出来ているかのような不思議な作品です。

「まだ、いつか見た夢を思っているかえ。」

(出典:2008年第1版、p.221)

友人からそう言われる「彼」。いつか見た、香りはないけれど確かに色彩を持つ薔薇の夢が、「彼」の辿った現実世界とどこまでリンクしているのか、色々と考えさせられます。

きっと、夢と現実の間(あわい)とでもいうべき、ものすごく微妙な精神世界の切れ目にこそ、幻の薔薇は咲くのでしょうね。

小松菜にも、この切り口でしか咲かない薔薇があるくらいですから(笑)。

何の話をしているのかさっぱり分からなくなる前に、今日はこれにて失礼いたします。

それでは。

 

Pool Engrish 『Technical Issue』リリース開始!

友人のミュージシャンPool Engrishさんが、約7か月ぶりとなる新曲『Technical Issue』をリリースしました。

前作『humid』と同じくインストですが、今回はまた新境地です。

初めて聴いたとき、こういうのをモダン・ジャズというのかしらと思いご本人に尋ねたところ、フュージョン(ジャズとロックの融合)だそうです。

こんなジャンルにも精通しているのかと感心しましたが、アイデア自体は10年くらい前からあったそうです。確かに、以前ジャズが好きだという話はしていましたからね。

ちなみに今回は、ベースをオトノハコ(新潟の音楽スタジオ)の方が弾いています。曲自体はPEさん(JBみたいな呼び方)がコンピュータで作り込んでいったそうですが、そこに他の人の演奏が加わったことで、ライブ感のある作品に仕上がっています。

機械と人間、あるいはプロフェッショナル同士の融合(フュージョン)ともいえるかもしれないこの作品。自分のフィールド以外の要素を取り入れるのって、音楽に限らず大事なことですからね。PEさんも今回のセッションでそう感じたそうです。

↓ まずはお気軽に、YouTubeでもご試聴いただけます ↓

気に入っていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは。