「にいがた市民文学」第27号に小説『初雪』が掲載されました。

「にいがた市民文学」第27号に、短編小説「初雪」が掲載されました。

にいがた市民文学第27号

先日行われた表彰式にも参加させていただきました。運営委員会の皆さま、すばらしい機会を与えてくださりありがとうございます。

小説部門への応募は、じつに8年振りでした。毎年きちんと作品を仕上げてチャレンジを継続しようと意気込んでいながらのこの有様、我ながらあきれ果てていましたが、それが今回、ようやく自信と喜びにつながりました。

「初雪」という作品名は、僕の好きなモーパッサンの短編へのリスペクトを込めて付けたものです。

タイトルの通り、これからの季節にぴったり!――と大々的に謳うには違和感のある、いつも通りの、僕なりの「閉ざされた世界」を描いています。それでもよろしければ、どうかご一読ください。

なお、掲載の作品につきまして、誤植が2か所ありましたので以下の通りお知らせいたします。


●34ページ下段

(誤)「キリストから生まれた、ベツレヘムの夜に」

(正)「キリスト生まれた、ベツレヘムの夜に」

●42ページ上段

(誤)「ボール紙セロファンで作った」

(正)「ボール紙セロファンで作った」


 

本をつくる上でどうしたって付いてまわる、誤植という名の愛すべき宿命と日々対峙しておられるすべての方々に、心から敬意を表します。

暖かくしてお過ごしください。

それでは。

 

「にいがた市民文学」第21号に随筆『面会』が掲載されました。

第21回にいがた市民文学(随筆部門)にて、「面会」を佳作に選んでいただきました。関係者の方々に、この場をお借りして御礼を申し上げます。

とりあえず、ほっとしています。

食うための仕事が忙しい忙しいと、そればっかりを言い訳に、今年は短編小説を1本発表したきりでした。

そんな中、短いエッセイではあるけれど、こうして選んでいただいたことで、自分がまだ物書きの人生にしがみついていることが少しは実感できて――そういう意味で、ほっとしています。

面会。

前に住んでいた家の外で餌をあげていた、野良猫のトラとの思い出を書きました。十年近くの付き合いは、もはや飼い猫レベル。それでも飼ってあげられなかった、という実話。

本当は、中編小説くらいの分量でじっくり書きたかった。大切な思い出のひとつを急いでまとめて形にしてしまったことに関しては、少しも納得できていない。読み返すほどに、色んな意味で後悔がつのってゆく。

書き終えて悔しい気持ちになったのは、まだしも救いがあるのかもしれませんね。何でもいいから、もっと書きたい。書かなければ。生活が何だ。トラ、僕に力を貸してくれ。

本当に自分らしい師走を、駆け抜けたいと思います。今年も残すところあとひと月、今後ともお付き合いくださいませ。

それでは。