第21回にいがた市民文学(随筆部門)にて、「面会」を佳作に選んでいただきました。関係者の方々に、この場をお借りして御礼を申し上げます。
とりあえず、ほっとしています。
食うための仕事が忙しい忙しいと、そればっかりを言い訳に、今年は短編小説を1本発表したきりでした。
そんな中、短いエッセイではあるけれど、こうして選んでいただいたことで、自分がまだ物書きの人生にしがみついていることが少しは実感できて――そういう意味で、ほっとしています。
面会。
前に住んでいた家の外で餌をあげていた、野良猫のトラとの思い出を書きました。十年近くの付き合いは、もはや飼い猫レベル。それでも飼ってあげられなかった、という実話。
本当は、中編小説くらいの分量でじっくり書きたかった。大切な思い出のひとつを急いでまとめて形にしてしまったことに関しては、少しも納得できていない。読み返すほどに、色んな意味で後悔がつのってゆく。
書き終えて悔しい気持ちになったのは、まだしも救いがあるのかもしれませんね。何でもいいから、もっと書きたい。書かなければ。生活が何だ。トラ、僕に力を貸してくれ。
本当に自分らしい師走を、駆け抜けたいと思います。今年も残すところあとひと月、今後ともお付き合いくださいませ。
それでは。