RIP

痛ましい出来事とともに、社会が越えてはいけない一線を越えてしまったような、大きな喪失感をおぼえます。

これから先、自分たちの住む世界はどうなっていくのか。目を背けてはならない現実に対して、どこまで向き合っていけるのか。正直なところ、不安ばかりが募ります。

アメリカの古典「リップ・ヴァン・ウィンクル」の主人公のように、一晩のつもりが20年も眠ってしまい、目覚めた時には世の中がすっかり変革を遂げていた――そうあってくれたなら、どんなにか気が楽だろうとさえ思います。

でも、さすがにそれでは虫が良すぎますよね。自分の生きる世界を守るために、自分自身ができること、他人と手を携えてできることは、続けていくしかないのですから。

次回のおすすめ文学は、この「リップ・ヴァン・ウィンクル」を取り上げようと思います。

それでは。

 

太陽が眩しいから

瞬く間に梅雨が明け、夏の暑い日々がいち早く訪れたようです。

テクノロジーが新しい生活様式を次々と提唱し、人々がそれをスタンダードとして受け容れることを繰り返す。そのペースの速さに慣れてしまうと同時に、ある種の無力感も募る。昨日今日の出来事を受けて、ふとそう思いました。

さて、夏のよく晴れた午後は、何というか、1年の中で唯一、「季節が呼吸をしていない」のを感じることがあります。

空は突き抜けるように青いのに、まるで生気がなく、炎天には生き物の声も途切れ、湿った空気が地上に沈着している。太陽がぎらぎらと照りつけるのをなす術もなく見上げ、ちっぽけな自分を強烈に自覚する。光あふれる失望。不条理です。

アルベール・カミュの『異邦人』。こんな季節に、私は読みたい。

それでは、水分と塩分の適切な補給を、どうかお忘れなく。