戦利品(埃やカビとの戦い)

実家のあれこれを片付けていたところ、古本が出てきました。

古本1

父親(か叔父さん)が子どもの頃に読んでいた本のようです。

こういうのも読んでたんか、って今さら驚くくらい、家族とは本の話は全くしたことがなかったですね。

古本2

乱歩もありました。表紙絵がまた、ザ・レトロでいいですねえ。

左の人物ばっかり、カメラが顔認識しようとがんばってました(笑)。

古本3

奥付によると、昭和38年発行。今からちょうど60年前ですね。

僕も小学生のときに図書館でポプラ社のぼろぼろの蔵書を全シリーズ読みました。多分それよりも古い版ですね。定価200円ですって。

古本4

お、真理先生だ。これは僕も大好きな本です。

文系ですらない父親や叔父さんが、少年時代に同じ本を読んでいたなんて、血は争えません。

ページをめくるたびに目が充血して、鼻水がたれてくるのは、はたして埃やカビのアレルギーのせいでしょうか?

 

戦利品のお披露目でした。

それでは。

 

(↓こちらもどうぞ)

#19 武者小路実篤 『真理先生』 ~自分らしく生きる~

 

二度と出られない?

江戸川乱歩の「お勢登場」という短編で、子どもと一緒に家の中でかくれんぼをしていて、長持の中に隠れたまま出られなくなり窒息死する男の話があります。「長持(ながもち)」とは昔の家具で、衣類や夜具などを収納するためのものです。

人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1) (角川ホラー文庫)
(↑「お勢登場」はこちらの短編集に収録されています。書名をタップ/クリックするとAmazonの商品ページにリンクできます。)

今は実物を見かけることはあまりなくなりましたが、大きいサイズのものだと、どことなく棺桶を思わせる直方体のいかめしい木箱で、件の小説に出てくる長持も、そんな感じのものなのかなと想像しながら読んでいました。

衣類や夜具の間に身体をぎゅうぎゅうに押し込めて、中から蓋を閉めると、暗闇と全身を包むふかふかの感触が、なかなかに居心地よさそうです。しかし、蓋を閉めた時に掛け金がかかってしまいオートロック状態に…内側から開ける術はなく、密閉された空間で酸素の供給が尽き、男は命を落としてしまうのです。

上記はあくまでフィクションですが、昔の子どもは長持の中でかくれんぼしてはいけない、などと親から注意されていたのでしょうか。ちなみに僕自身は、冷蔵庫の中に入って遊んではいけないと言われた世代です。昔の冷蔵庫は、中からは開かない仕組みになっていたようで、小さい頃、特に祖父母から、厳重に言い含められた記憶があります。

参考:冷蔵庫による事故死(Wikipedia)
https://w.wiki/5Esb

ウィキにもあるように、最近の冷蔵庫は内側からも開けられるそうですが、子どもの時分に冷蔵庫の恐怖を叩き込まれている身の上、ことさら気の小さい僕などは、本当に脱出可能か、おそろしくて実験してみる気も起きません。今の子どもたちにも、とにかく危ないから冷蔵庫には入っちゃだめだよと言うと思います。

ホアキン・フェニックス主演の映画『ジョーカー』でも、主人公が自宅の冷蔵庫の中のものを次々と外に放り出し、自ら中に入ってドアを閉めるシーンがありましたよね。冷蔵庫に入ったら二度と出られないと思っていた僕としては、てっきり主人公が自殺したものと思い、その後の展開にひどく混乱したものです。

小心者の話で恐縮でしたが、たとえ内側から開くとしても事故のリスクがゼロになったわけではないと思うので、特に小さなお子さんのいらっしゃるご家庭の皆さまにおかれましては、くれぐれも御注意くださいませ。

それでは。