Pool Engrish 『Thin Ice』 ~見えない壁~

友人のミュージシャンPool Engrishさんの新曲をご紹介します。

『Thin Ice』というタイトルのシングル曲で、約1年半振りのリリース。ジャンルはロックです。これまでは比較的インスト曲が多かったのですが、今回はボーカルナンバーとなっています。

↓YouTubeで視聴できます(歌詞付き)↓

↓YouTube Musicをお使いの方はこちらからもどうぞ↓

https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ntk1remKmGtCowkj3rvMreispsxgmkcWg

 

直訳すれば「薄氷」という意味のタイトル。歌詞にはwall(壁)という言葉が何度も出てきます。Between you and me, invisible wall. というリフレインが印象的です。

コロナや人種問題など、時代をタイムリーに反映しているとも言えそうですし、純粋に個人の人間観を表現したとも言えそうな、意味深な作品です。

ギターは相変わらず職人芸です。安定のソロ然り、個人的にはカッティングのキレが心地よく、イントロをはじめ、曲の随所で効いています。是非とも聴いてみてください。

余談ですが、壁といえば人気漫画「進撃の巨人」ですよね。僕も現時点で32巻まで読んでいますが、Thin Iceの歌詞と、漫画の世界観が奇しくもリンクしているように感じました。

ちなみにPool Engrishさん本人は多分、進撃の巨人は読んだことないと思います。今度会ったら聞いてみます(笑)。

なお、楽曲はAmazonでも購入できます。曲が気に入った方は、彼の音楽活動をサポートいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

↓画像よりAmazonの商品ページにリンクできます↓

 

それでは。

 

黒マスクと太宰

毎日、黒いマスクを着用しています。最近はとても暑いので、人通りの少ない屋外では鼻だけ出しています。同じデザインの布マスクを、洗い替えで6枚持っています。下着と同じ感覚です。洗濯する度に、少しずつ痛んできました。

マスクの色というと、やはり白が多いようですが、僕は黒しか着けません。汚れが目立たない、どんなファッションとも合わせやすい、等の理由もありますが、黒の方がクラシカル&ノスタルジックな印象があるというのが一番の理由です。

イメージだけではなく、実際、昭和14年に発表された太宰治の作品にも、黒いマスクが出てきます。懶惰の歌留多(らんだのかるた)という短編(↓の作品集などに収録)に、こんな文章があるのです。


新樹の言葉 (新潮文庫)

 

それから、また、机の引き出しを、くしゃくしゃかきまわす。感冒除けの黒いマスクを見つけた。そいつを、素早く、さっと顔にかけて、屹っと眉毛を挙げ、眼をぎょろっと光らせて、左右を見まわす。なんということもない。マスクをはずして、引き出しに収め、ぴたと引き出しをしめる。

(平成20年第29刷、p.16)

小説を書こうと机に向かう筆者が、作業に身が入らずに、引き出しから耳かきを取り出して耳掃除をしてみたり、マスクを出して意味もなく着けてみたり、などという他愛もない内容です。

感冒、という言葉、今ではあまり耳にしなくなりました。昔、風邪薬のコマーシャルなどで聞いた記憶があります。作中の黒マスクの実物がどんなものかは知りません。耳かきなんかと一緒に引き出しにごちゃごちゃ入れているあたり、どこの家庭にもあった普段使いのマスクなのでしょう。

太宰兄が黒マスクを着用して、あの太い眉をきりっと上げて、眼をぎょろぎょろさせるところなど、想像すると楽しいです。彼が現代に生きていれば、こういう日常をSNSに投稿して読者サービスなどしてくれそうな気もします(笑)。

昭和初期には既に存在していたとおぼしき黒いマスク。復刻版とかあればよいのに、などと考えたりもします。もちろん、マスクの要らなくなる日が一日も早く訪れることが何よりです。

それでは。