瞬く間に梅雨が明け、夏の暑い日々がいち早く訪れたようです。
テクノロジーが新しい生活様式を次々と提唱し、人々がそれをスタンダードとして受け容れることを繰り返す。そのペースの速さに慣れてしまうと同時に、ある種の無力感も募る。昨日今日の出来事を受けて、ふとそう思いました。
さて、夏のよく晴れた午後は、何というか、1年の中で唯一、「季節が呼吸をしていない」のを感じることがあります。
空は突き抜けるように青いのに、まるで生気がなく、炎天には生き物の声も途切れ、湿った空気が地上に沈着している。太陽がぎらぎらと照りつけるのをなす術もなく見上げ、ちっぽけな自分を強烈に自覚する。光あふれる失望。不条理です。
アルベール・カミュの『異邦人』。こんな季節に、私は読みたい。
それでは、水分と塩分の適切な補給を、どうかお忘れなく。