名も無き…

仕事場に向かう途中の道ばたに咲く花。

昔からあった訳ではなく、ここ2~3年の間に見るようになりました。町内会の美化運動なのか、個人の方が善意で行っているのかは分かりません。

道ばたの花1

こんなところに花が咲いていようがゴミが落ちていようが、10代、20代の僕だったら完全にスルーしていました。30代のおじさんにとって、こういうのは地味にありがたいです。

「道ばたに咲く名も無き花」とか、そんな類の感傷とはちょっと違います。

チューリップに水仙、どちらも名のある花ですし。特に水仙なんて、ギリシア神話に出てくるナルシストの兄ちゃんの化身ですから、名も無き、などという謙虚なイメージとは無縁の花です。

道ばたの花2

ありがたきは、花を植えてくれた人たち。

どこのどなたか、名前も存ぜぬ方に心の片隅で感謝しつつ……今日も頑張るとします。

それでは。

 

きみも成人式?

こんにちは。

地域によっては今月3月に成人式を行うところもありますよね。そんなわけで新成人の皆さん、おめでとう。若いっていいよなぁ…

こちらはこちらで、↓今年ハタチを迎える、我が家の看板娘です。

おばあちゃん猫1

飼い主に似てか、彼女も数奇な運命を歩んできました。

佐渡ヶ島の漁村でノラの子猫だったところを、お盆で帰省していた僕たち一家に拾われました。それから一緒に新潟に船旅し、ニンゲンの諸事情により愛知の親戚の家に送られ、何年かして再びニンゲンの諸事情により新潟に舞い戻り、今に至ります。

船にも飛行機にも乗った、元ノラ猫。本人にしてみれば、決していい思い出ではなかったと思います。女の子なのに、最初に間違えて「ちび太」と名付けてしまい、以来そのまま。19年間連れ添ったもう一匹の相方(猫)も昨年他界し、ひとりぼっちに。

めったに鳴かない子だったのに、ここのところ毎日のように、夜中に誰かを呼ぶように、にゃあにゃあ鳴いて徘徊するようになりました。キバも抜け、足腰もかなり弱ってきました。

おばあちゃん猫2

いろいろ大変だったね。

でも、これだけ生きたんだから、もっともっと生きてみない? 元ノラなので正確には分からないけれど、もうすぐ春になって、新潟にも桜が咲くころ、きみは20歳の誕生日を迎えるんだよ。

これからの門出を祝う……それもそうだけど、今まで永い間、僕たちニンゲンと共にいてくれて、ありがとう。そんな成人(猫)式。あってもいいよね。


追記:あれから半年後の2015年9月24日の朝、彼女は永い眠りにつきました。その日は一晩いっしょに過ごして、翌25日にペット霊園にて葬儀を行いました。行年20年と6ヶ月。人間でいうと、100歳にちょっと満たない程でしょうか。しばしのお別れ。さみしくなるけれど、長いこと僕たちニンゲンの家族でいてくれて、本当にありがとう

さらに追記:そんな彼女のことをエッセイに綴ってみました。作品集に収録していただきましたので、良かったら読んでみてください。

キミはずっと家族―ペットだなんて呼ばないよ
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それでは。